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「コールドプル」テクニックは、プリンタのノズルやホットエンド内で詰まったり焼き付いたりする恐れのある材料残渣を、効果的に取り除ける手法のことです。また、定期的なメンテナンス中に、ホットエンドをクリーニングするときに使うこともあります。
Nozzle Xを使っているときは、このコールドプル手法を実行
しないで ください! Nozzle Xの場合は必ずクリーニング用フィラメントを使用してください。
ノズルが部分的に詰まっていて、フィラメントの押し出しで部分的にでも出てきている状態の時に、コールドプルを行うと効果的に改善できます。 ノズルが完全に詰まっている場合は、 ノズル詰まりのガイド を確認してください。
こちらのテストでは、
PLAがコールドプルに最適だとわかりました。 他のフィラメントでは、PLAの様に先端を保持したままにならず、割れてしまったり融けすぎてしまいます。 うまくいかない場合は、ホットエンドをクリーニングするための専用のフィラメントを使うことで同様の効果が得られます。
手順
フロントパネルの LCD Menu -> Settings -> Temperature -> Nozzle を順に選び、温度を270℃に設定します。
ノズルが設定温度まで上がるのを待っている間に、 フィラメントのオートロード 機能をOFFにしておきます LCD Menu -> Settings -> F. autoload.
まだ メニュー 画面の間に、 Settings から Disable steppers を選択します。 ステッパーモーターが無効になったというメッセージは表示されませんが、Disable steppersを選択すると電気的な「しーっ」というノイズが消える場合があります。 ステッパーモーターが無効になっていると、手でさほど力を加えなくてもベッドを前後に、エクストルーダーを左右に移動させることができます。
2.5mmのヘキサゴンレンチを使って、下の写真の○印のネジを緩めて エクストルーダーアイドラードアを開きます。 MMU2Sの場合は、さらにMMUユニットとつながっているボーデンPTFEチューブのエクストルーダー側のコネクターを緩めて取り外します。
270℃に達したら、PLAフィラメントを上から手動でエクストルーダーに挿入し、ノズルから出てくるまで押し込んでいきます。
LCD Menu -> Preheat でCooldown (一番下までスクロールすると出てきます)を押して選択するか、リセットボタン(X)を押して、加熱を終了します。 ノズル温度を室温まで下げます。 早く温度を下げるために、LCDメニューでプリントファンを最高速度で回す設定にします。 LCD menu -> Settings -> Temperatures -> Fan speed -> [255].
冷却中、温度が下がってノズルから融けて出てこなくなるまで(PLAの場合は約170℃)、フィラメントを手動で押し下げ続けます。 コールドプルを成功させるには、ノズル内部を充填しておく必要があります。
ノズルが室温まで下がったら、もう一度 LCD Menu -> Settings -> Temperature -> Nozzle に行って、温度を85℃に設定します。
エクストルーダーが設定温度に達したらすぐに 、ラジオペンチでフィラメントをつかみ、ゆっくりと、しかし着実にエクストルーダーから引き抜きます。 フィラメントが内部で割れる可能性があります。 横ではなく、まっすぐ上に引っ張って抜いてください。 もう一方の手でエクストルーダーをしっかり保持しておきます。
フィラメントがエクストルーダーから完全に抜けきるまで、作業をやめないでください。
結果
引き抜いたフィラメントの先端に、以前使用していたフィラメントの残骸や、ノズル内部に付着していた焦げた汚れがみられることがあります(左側の写真)。 フィラメントがきれいになるまで、上の手順を数回繰り返すことをお勧めします。
右側の写真は、複数回のコールドプルできれいになったフィラメントがどのようになるかのイメージです。 ノズル内部形状の痕跡に注目してください。これをみると、ノズル内部が完全に満たされていたので、内部に何も残っていないことが確認できます。 また、以前使用していた色と混ざったり、濃い色がついてしまったりすることもありません。
後処理
フィラメントがロードされていない状態で アイドラードアを閉じてエクストルーダーの左側にあるアイドラーネジの頭がプラスチックパーツとほぼ同じ高さになるようにして 、アイドラードアを固定します。 次に、エクストルーダーに力を加えたことによりバランスが崩れている可能性があるため、Zキャリブレーションを実行することをお勧めします。 (LCD menu -> Calibration -> Calibrate Z ) また、必要にしたがって、フィラメントのオートロード機能をオンに戻します。
フィラメント押し出しの問題につながる最も一般的な原因と、それらの発生を防ぐ方法については、
この記事 を参照してください。