
基本情報
説明
3Dプリントにおいて、PP(ポリプロピレン)は主に高い化学耐性や耐熱性が求められる各種プロトタイプや特殊な機器(実験器具、エンジンオイル缶など)の作成に使われます。この素材は軽量であるため、様々なRCモデル部品にも適しています。純粋なPPは薄い層では曲げやすく、半透明です。
主な欠点は、反りやすくプリント面への密着性が非常に低いことです。メーカーは通常、カーボンやガラス繊維を複合して反りを抑えています。Prusament PP Carbon Fiber Blackはその良い例です。
対応素材の特性比較については、material table.をご覧ください。
メリット |
デメリット |
---|---|
✔ 軽量な素材 |
✖ PEI表面でプリントした場合の密着性が悪い |
✔ 高い化学耐性 |
✖ 特に大型モデルでの反りが大きい |
✔ 高い靭性 |
✖ 価格が高い |
最適な用途
PPは主に高い化学耐性や耐熱性が必要なモデルの作成に使用されます。
プリント成功のためのコツ
表面の準備
最適なプリント面密着性を得るには、Prusa PPシートの使用が最も効果的です。そうでない場合、素材が十分に定着しない可能性があります。
PPシートを使わない場合は、以下の方法が推奨されます。メーカーは通常、PPフィルム(PPテープ)、ガラス/ミラー+Magigoo PPを推奨しています。スムースPEIシートにPPテープを貼り、レイヤー間密着性向上のため高めの温度設定(ただし1層目はやや低め)を推奨します。パウダーコートサテンシートでのPPプリントも可能ですが、スムースPEIシート+PPテープより密着性が劣る場合があります。
温度
温度はフィラメントブランドによって異なりますが、ノズルは220~270℃、ヒートベッドは80~105℃が目安です。PPは反りやすいため、エンクロージャーを使ったプリントを検討してください。
ブリム
反りを抑えるため、ブリム機能の使用を推奨します。PrusaSlicerでモデルサイズに応じて5~10mmのブリムを設定してください。
Original Prusa Enclosureを当社のオンラインショップで購入できます。
自作エンクロージャーも可能です。
サンプルプリント
![]() | |
曲げられるオブジェクト |